四季を通じて、より快適に

畳が日本で生み出されたのには理由があります。日本特有の夏場の高温多湿と冬の寒さがその理由です。日本人は、こうした四季の変化のなかで温度と湿度の差を敏感に感じ、 四季を通じて、より快適な生活に適した空間を創造する為に畳が造られたと考えられます。
畳には湿度を調節する機能があります。湿度が高い時は湿気を吸い、低い時は湿気を放出するので、室内を快適な湿度に保ってくれます。畳1帖分の自然吸湿力は、約500mlもあるといわれています。夏は涼しく、冬は暖かく過ごすことができます。

又、畳床は適度な堅さと柔らかさを持ち、弾力性・吸音性にも優れています。畳表には室内の空気を浄化する作用があります。健康を損なう二酸化窒素を畳表が吸収することで室内の空気を浄化します。

 

日本の畳には”もったいない精神”が生きている

畳は傷むとカバーである畳表をはずし、それをリバーシブルに裏返して使用します。そして、それが傷むと畳床はそのままに畳表のみを交換します。最後に、畳床が傷むと初めて新調します。この間、約30年。畳はその寿命の後、堆肥の原料となって土に戻されていました。い草や藁が土に返り、そして次の新たな命を育む。畳は、遥か昔から、自然に始まり、自然に終わる。まさに環境に優しいエコな自然素材。畳は資源循環型社会の優等生でもあり、これこそが世界に誇れる日本人の知恵であると言えます。